日本の極道映画・任侠映画まとめ
極道映画・任侠映画・ヤクザ映画というジャンルは、過激なシーンもあって敬遠してしまいがちな方も多いかもしれません。
しかし、実は恋情、家族や仲間との絆が色濃く描かれているエンターテイメント作品であり、またはリアリティあるドキュメント作品として大人が楽しめるジャンルです。
今回は、日本を代表する名作金字塔映画から、近年大注目されたイケメン俳優がアカデミー賞を受賞した作品、ゲームの実写化という変わり種作品などを集めてみました。
仁義なき戦いシリーズ
日本やくざ映画の金字塔といえばこのシリーズです。
終戦直後、遊び人の群れに身を投じていた広能昌三(菅原文太)は、その類いまれなる度胸と気性の良さを山守組の組長・山守義雄(金子信雄)に買われ、山守組の身内となりました。しかし、近隣の地域には他に四つの主要な勢力があり、山守組はまだ小さな勢力にしかすぎませんでした。そこで山守は、ある組と手を結ぶことを画策するが…。
実際の暴力団の抗争について書かれた手記をもとに、綿密な取材をして描かれた半ドキュメンタリー映画です。深作欣二監督により全5作のシリーズが製作されている、日本映画の傑作です。
極道の妻たちシリーズ
粟津環(岩下志麻)は、堂本組若頭補佐兼粟津組組長であるヒトシの妻です。服役中の彼に代わり、組を守っている気丈な女性である環は、ある日、妹の真琴(かたせ梨乃)に、縁談を持ちかけます。
そんな時、堂本組の総長が急死してしまい…。
暴力抗争下で、様々な境遇を夫を支え、時に矢面に立ちながら必死で生きる極道の妻たちの姿を描いたこの作品は、女性目線からの極道の世界という新たな視点で大ヒットしました。
岩下志麻が主演を務めたこのシリーズは全10作で完結しています。
アウトレイジ 三部作
東最大の暴力団山王会は、傘下の池元組が麻薬を扱う村瀬組と親密になっていることを快く思っていませんでした。
そこで若頭・加藤(三浦友和)は、傘下の組である池元組組長・池元(國村隼)に、付き合いのある村瀬組に対して軽く制裁を与えるようにと指示します。そこで池元は配下の大友組組長・大友(ビートたけし)に、その役目を任せますが…。
暴力映画でよく知られる北野武監督が原点回帰し、本格的なヤクザ同士の熾烈な権力闘争を描いたこの作品はカンヌ国際映画祭にも出品されました。三浦友和、國村隼、ビートたけしのほか、椎名桔平、加瀬亮、石橋蓮司、小日向文世、北村総一朗ら日本の名優達が集結した全3作のシリーズです。
孤狼の血
昭和63年暴力団対策法成立直前に、ある都市では、地元暴力団・尾谷組と、新たに進出してきた巨大組織・五十子会系の加古村組の抗争がくすぶり始めます。
そのなかで加古村組関連の金融会社社員が失踪する事件が発生します。所轄の警察に配属となったばかりの新人刑事・日岡秀一(松坂桃李)は、暴力団との癒着を噂されるベテラン刑事・大上章吾(役所広司)とともに失踪事件の捜査にあたりますが、この事件を契機に尾谷組と加古村組の抗争が激化していき…。
架空都市・呉原を舞台に描いた柚月裕子の同名小説を実写化した作品で、こちらは警察組織が主役です。この作品で日本アカデミー賞の最優秀主演男優賞を役所広司が、最優秀助演男優賞を松坂桃李がそれぞれ受賞しています。
龍が如く 劇場版
神室町は、欲望と暴力が渦巻く街です。
最近では銀行強盗など数々の事件が起こり始め、落ち着かない雰囲気が漂っていました。
そんななか、桐生一馬(北村一輝)が、10年の刑期を終え出所してきました。かつて住んでいた神室町に帰ってきた彼は、実は“堂島の龍”という二つ名を持つ、その筋では有名な極道でした。
とあるきっかけで、母親を探す少女と出会った桐生は、成り行きで少女の母親を探すことになります。
そんな彼を、狂気の極道・真島(岸谷五朗)が執拗に追い回して…。
2005年発売の大人気ゲームを、ヤクザ映画にも定評がある三池崇史監督が実写化しました。 ゲーム原作なので、アクションシーンはスタイリッシュでどこかコミカルなので、苦手な方も安心して見れるのではないでしょうか。
ヤクザ映画は、とても魅力的です。日本が誇るこのジャンルは、意外と海外からも人気があります。
人間の裏切りや憎しみ、暴力的で恐ろしい描写、犯罪に手を染めるシーンもあります。
しかし、古き良き日本人らしい仁義を通す精神的な美しさ、家族を超えた固い絆、愛情など、さまざまな感情も映しています。それらは国境の垣根を越えて、共感されるものだからかもしれません。